樹木根系による生物工学的斜面安定効果に関する実験的研究

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  • Experimental Study on Biotechnical Slope Stability Effect by Tree Root Systems

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抄録

都市近郊林は、首都圏ならびに関西地方に比較的多く分布している。これらの森林は、しばしば保安林の役目も果たしている。近年、わが国では保安林と都市近郊林の造成・整備・管理技術の向上が強く要請されている。このような現状に鑑み、まず樹木根系による斜面安定化機構を生物工学的に明らかにするため、樹木の単一根系毎の引張強度を疑似根系供試体で試験された。これは、根系の引張強度が、樹種と共に根系の直径に強く影響を受けるからである。次に、都市近郊林内に存在する山腹緑化樹種を比較しながら、樹種の違いによる根系の引張強度の違いが検討された。また、上記の観点から、森林の環境保全機能に関する最近の情報も比較検討された。さらに、京都市内の都市林に対して、サンプル樹木を選定し、樹木相互間の土のせん断強度の分布状態や、孤立木周辺の土のせん断強度の低下現象等が検討された。なお、根系供試体の“荷重~変形”曲線や根系の形態的特性についても論じられている。

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