Verticillium dahliae, V. longisporumのブロッコリーおよびカリフラワーに対する病原性とキャベツバーティシリウム萎凋病に対するブロッコリー残渣のすき込み効果

抄録

菌接種圃場と甚発生圃場を用いた試験により、Vericillium dahliaeおよびV. longisporumのブロッコリーとカリフラワーに対する病原性や品種抵抗性、キャベツバーティシリウム萎凋病に対するブロッコリー残渣のすき込み効果を検討した。V. longisporumはブロッコリーに対する病原性が品種によって異なり、抵抗性から罹病性までの品種間差異が大きかったが、カリフラワーにはいずれの品種に対しても強い病原性を示した。これに対し、V.dahliaeはブロッコリーに対する病原性が弱く、カリフラワーには弱-中程度の病原性を有した。キャベツバーティシリウム萎凋病の甚発生圃場に栽培したブロッコリーの5品種からはV. longisporumのみが分離され、カリフラワーの2品種では同一株の異なる部位からV. longisporumとV. dahliaeが分離された。ブロッコリー、カリフラワーなどのキャベツ類は、内部病徴(維管束の変色)が激しくても外部病徴としての萎凋症状を発現しなかった。キャベツ発病株の残渣に新鮮なブロッコリー残渣(600kg/a)を加えてすき込むことにより、翌年の発病を高めない程度の防除効果が得られた。以上のことから、バーティシリウム病の甚発生圃場であっても、ブロッコリーの抵抗性品種を用いた経済栽培が可能であり、かつ収穫後にその残渣をすき込むことにより、キャベツバーティシリウム萎凋病の防除効果が期待できる。

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