水稲新品種‘さつま白もち'の育成とその特性

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  • スイトウ シン ヒンシュ サツマシロ モチ ノ イクセイ ト ソノ トクセイ

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抄録

水稲新品種「さつま白もち」は,普通期栽培用晩生の良食味糯品種として鹿児島県農業試験場において育成され,2002年9月に鹿児島県の適品種に採用された。「さつま白もち」は1994年,在来の極良質糯品種「溝下糯」の栽培特性の改善を育種目標として,「溝下糯」から純系分離した「溝下糯3号」を母,「サイワイモチ」を父として交配を行った組合せに由来し,2003年1月に品種登録を申請した。「さつま白もち」は,出穂期で「サイワイモチ」より11日,成熟期で15日遅い晩生に属する。稈長は,「溝下糯3号」に比べて約32cm短く,栽培しやすい。草型は“偏穂重型”である。ふ先色,穎色,護穎色は“紫色”を有し,粳種との識別が容易に判定できる。「溝下糯3号」と比較して玄米収量は多く,玄米の外観品質は優れる。餅は白く,きめ(餅肌)が細かく,のびが良く,良食味である。つき餅の硬化速度は遅く,「サイワイモチ」「溝下糯3号」より軟らかい特性を有する。

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