奄美大島におけるパッションフルーツウッディネス病の発生生態

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  • アマミ オオシマ ニ オケル パッションフルーツウッディネスビョウ ノ ハッセイ セイタイ

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パッションフルーツウッディネス病はパッションフルーツに発生するウイルス病(PWV)で,1986年に奄美大島南部で初めて発生が確認されて以来,罹病苗の移動によって大島本島全域に広がった。ほ場内での感染は早く,初発から3ヶ月程度でほ場全体に蔓延した。PWVはワタアブラムシ,モモアカアブラムシ,チシャミドリアブラムシによって非永続的に伝搬されるが,汁液伝染,土壌伝染の可能性は極めて低かった。感染から発病までの日数は18~20日程度,樹体内全体にウイルスが蔓延するまでの日数は30~40日であった。感染すると根部以外の株全体にウイルスが移行するが,ウイルスが存在しても発病する枝と発病しない枝が混在する場合があった。開花前,開花期にウイルス接種した株では果実に発病し,結実後に接種した株の果実は発病せず,果実における発病は感染時期と関係があることが明らかになった。このことは,早期開花,早期着果による被害回避の可能性を示唆した。また,防除対策としては,栽培地域のウイルス密度を下げ伝染源を絶つために,ほ場内に感染株が認められた場合には,速やかにほ場全体を健全苗に植え替えることが重要であると思われた。

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