わい化栽培モモ台木ユスラウメの増殖法および苗木栽植後の管理法

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  • ワイ カ サイバイ モモ ダイギ ユスラウメ ノ ゾウショクホウ オヨビ ナエギサイショクゴ ノ カンリホウ

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抄録

1.わい化栽培モモについてACLSV、PNRSV、PDVのウイルス保毒実態調査を行った結果、ACLSVの保毒率は高かったが、PDVの保毒はほとんど確認されなかった。また、PNRSVの保毒率は3割程度であった。2.現地における樹勢衰弱および接木部異常の発生には、PDVは関与していないことが明らかとなったが、ACLSV、PNRSVの関与は明らかでなかった。3.大量増殖の基礎となる優良台木として、長期間生育が良好で、接木部異常が認められず、ACLSV、PNRSV、PDVが検出されない樹を選定し、その台木のひこばえから、節培養によるシュート誘導を行った。4.シュート誘導条件としてBA濃度を5μMとし、誘導されたシュートはBA3.5μMの寒天培地で増殖させた後、3~5本の固まりをBA1μMとした二相培地に継代すると、増殖率が高く、長いシュートが得られた。5.発根にあらかじめ250μMのIBAを含む培地で4時間の前処理を行い、ホルモンフリーの培地に移植すると発根率、生存率が高く、カルスの発生が少なかった。6.発根および馴化は、通気膜を用いた培養容器で培地支持体としてフロリアライトを用いることにより、高い発根率、馴化率が得られ、短期間で馴化苗の育成が可能であった。7.苗木栽植1年目の新梢管理は、新梢生育、葉芽および花芽の着生状況から、副梢の2芽摘心または捻枝処理が有効であった。作業効率の点から2芽摘心が実用的であった。8.苗木栽植1年目の土壌表面管理法は、新梢生育、発根促進の点から堆肥マルチまたは堆肥と黒色ポリフィルムマルチの併用処理が有効であった。現時点では、作業性、経済性から堆肥マルチが実用的であった。9.苗木栽植1年目の施肥法は、分施で少なくとも慣行の2倍以上の増肥が必要であった。適正量についてはさらに検討が必要である。

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