Pacific Whiing冷凍すり身のゲル化に伴って起こる筋原繊維タンパク質の変化と牛血漿粉末添加の効果

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抄録

Pacific whiing冷凍すり身の熱ゲル化に際して、塩ずり身中のタンパク質に起こる変化と、それに対する牛血漿タンパク質の添加の効果について検討を行った。冷凍すり身を解凍後、2.5%Naclと0.5?10.0%牛血漿粉末を加えて塩ずりし、塩ずり肉を20?60℃の間の一定温で2?34時間予備加熱後、90℃で20分本加熱した。調製された加熱ゲル中の筋原繊維タンパク質組成をSDS-PAGE法によって分析した。30?40℃で加熱するときミオシン重鎖(HC)は減少して僅かにその多量体を生成するが、50℃以上ではHCの部分分解産物に相当するX1とX2成分を生成した。また90℃、20分の加熱ではHC及びHC多量体が消失して多量のX1及びX2成分を生成した。牛血漿粉末を添加すると、このようなタンパク質組成の変化は添加量に依存して抑制された。これらの結果と先に報じた塩ずり身のゲル化特性の関係から、牛血漿タンパク質は、HCのX1とX2への分解抑制を介して、塩ずり肉中の筋原繊維タンパク質のゲル化と、高温における牛血漿タンパク質自体の熱ゲル化とを併せて増強すると考えられた。

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