エレクトロスプレー質量分析におけるトリプシンペプチドイオン化に関する研究

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  • エレクトロスプレー シツリョウ ブンセキ ニ オケル トリプシンペプチド イオンカ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

近年のプロテオミクス研究においては、2次元電気泳動後の質量分析機を用いた微量構造解析法が主流となっている。 しかし、質量分析機に供するペプチド試料の前処理やペプチドの諸性質との関連については詳しく検討されていない。そこで本研究では、未知試料を対象としたエレクトロスプレーイオン化法による四重極/TOF-MSにおけるペプチドシークエンスの解析のための諸条件について検討を行った。まず電気泳動で分離したタンパク質のインゲルトリプシン消化の条件およびトリプシン濃度の影響について調べた。さらに、インゲル消化で得られたトリプシンペプチドの質量分析でのペプチドイオンの回収とペプチドの諸性質との関係について調べた。その結果、最適トリプシン濃度は0.01μg/μl であることが明らかとなった。また、酵素消化前の処理として変性剤非存在下での還元アルキル化が有効であることがわかった。さらに、ペプチドのイオン化はm/z値で見ると質量分析機の特性に依存し、m/z値で300から800付近のペプチドイオンが高い強度で検出されることがわかった。また、ペプチドの性質とイオン化の関係は、極端に高い極性や低い様性を有するペプチドはイオン化されにくいことがわかった。一方、試料の前処理であるZipTip処理で、はm/z値で400から800の領域ではペプチドの精製に効果があるがそれ以外の領域ではペプチドのロスが生じる可能性が示された。

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