チャバネアオカメムシの集合フェロモンを利用した乾式トラップの開発及び大量誘殺の検討
書誌事項
- タイトル別名
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- チャバネアオカメムシ ノ シュウゴウ フェロモン オ リヨウ シタ カンシキ トラップ ノ カイハツ オヨビ タイリョウユウサツ ノ ケントウ
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抄録
果樹カメムシ類の発生予察法の確立を目的として、水を必要としない小型の乾式トラップを開発するとともに、集合フェロモン剤を組み合わせて果樹カメムシ類の捕獲量を調査し、その実用性を検討した。また、個体群誘導による果樹カメムシ類の防除方法の確立を目的として、集合フェロモン剤の設置方法及び大量誘殺の可能性について検討した。1.乾式トラップは、特別な保守を必要とせず、連続設置が可能がであった。広範囲の発生調査に適していると考えられる。2.集合フェロモン剤を付けた乾式トラップと湿式トラップによるチャバネアオカメムシの日別捕獲数の経時変化パターンは、一部を除きほぼ一致した。しかし、果樹カメムシ類の捕獲数は、乾式トラップが湿式トラップよりも有意に少なかった。3.乾式トラップの一部にペットボルトを利用しでも捕獲量は変化しなかった。ペットボトルの利用によって乾式トラップの作製を簡素化できる。4.乾式トラップの支持棒は捕獲数に影響を及ぼし、5mmの支持棒を付けた乾式トラップの捕獲能力が高かった。5.集合フェロモン剤の設置場所に対してチャバネアオカメムシが誘引される垂直方向の範囲は狭く、高さ2mのトラップの捕獲能力が最も高かった。また、水平方向の範囲はきわめて広く、設置場所から風下50m地点でも捕獲された。6.果樹園に影響を及ぼさないように集合フェロモン剤を設置して果樹カメムシ類を大量誘殺するには、果樹園から50m以上離す必要がある。また、裸地の場合、集合フェロモン剤を地表面から高さ2mに設置する方法が適していると考えられる。7.殺虫剤を浸透させたスギにツヤアオカメムシを放飼した結果、アセフェートの殺虫効果が最も高かった。8.アセフェート水溶液(50g/l)を樹幹注入したスギに集合フェロモン剤を付けて圃場に設置したところ、3日間で約5,000頭の果樹カメムシ類が誘殺された。大量誘殺の可能性は示されたが、殺虫方法は今後の課題である。
収録刊行物
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- 千葉県農業総合研究センター研究報告 = Bulletin of the Chiba Prefectural Agriculture Research Center
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千葉県農業総合研究センター研究報告 = Bulletin of the Chiba Prefectural Agriculture Research Center (4), 135-144, 2005-03
千葉 : 千葉県農業総合研究センター
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050282813664982656
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- NII論文ID
- 40007178407
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- NII書誌ID
- AA11766369
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- ISSN
- 13472585
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- NDL書誌ID
- 7847931
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB
- NDL
- CiNii Articles