トマト有機栽培における害虫発生と防除

書誌事項

タイトル別名
  • トマト ユウキ サイバイ ニ オケル ガイチュウ ハッセイ ト ボウジョ

この論文をさがす

抄録

近紫外線除去フィルムで天井被覆し、さらに4mm目合いの防虫ネットで開口部を被覆した雨よけハウスでの、トマト有機栽培で発生する主な害虫は、コナジラミ類、ハモグリバエ類、ハダニ類であった。特に、夏秋作型においてはトマトサビダニの発生よりもハダニ類(ナミハダニ)による葉の枯死と果実被害が問題であった。有機栽培でオンシツツヤコバチ剤を用いる場合は6月下旬~7月上旬に1回のみで十分効果があり、より低コストでの天敵農薬の使用が可能であると考えられた。また、農薬散布のない条件ではハモグリバエ類の寄生蜂による寄生活動が観察され、ハモグリバエ類の密度抑制に寄与しているものと考えられたものの、その他土着天敵の発生は少なかった。よって、土着天敵保全のためのバンカープラントなどを用いる効果は少ないと考えられた。また、有機栽培で安定生産を行うためには、極力ほ場は耕起し、前年からの越冬虫を少なくすることが必要と考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ