黒毛和種のワンショット過剰排卵処理法の確立に関する研究(第1報) : 筋肉内投与法の検討

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  • クロゲワシュ ノ ワンショット カジョウ ハイラン ショリホウ ノ カクリツ ニ カンスル ケンキュウ ダイ1ポウ キンニク ナイ トウヨホウ ノ ケントウ

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抄録

牛の過剰排卵処理法の簡易化・省力化を図るため、水酸化アルミニウムゲルを卵胞刺激ホルモン(FSH)の溶解剤として用いたFSHの1回投与(ワンショット法)による過剰排卵処理法の有効性を検討した。黒毛和種経産牛9頭を用い、1頭の牛について水酸化アルミニウムゲルを用いたワンショット法(30AU 1回、筋肉内投与)と従来の漸減投与法(5,5,3,3,2,2,計6回、20AU、筋肉内投与)による過剰排卵処理をそれぞれ1回ずつ実施し、発情の状況、採卵時の黄体数、卵胞数および採卵成績を比較した。1.ワンショット区では9頭中8頭に、漸減投与区では9頭中全頭に明瞭な発情が観察された。2.採胚時の平均黄体数、大卵胞数は、ワンショット区で、それぞれ8.7土5.3個、2.9土1.5個、漸減投与区で9.6土5.7個、1.9土1.7個でいずれも有意な差は認められなかった。3.平均回収卵数、正常卵数は、ワンショット区でそれぞれ6.7±6.4個、4.1±3.4個、漸減投与区で8.6土5.8個、4.1±2.8個でいずれも有意な差は認められなかった。以上の結果から、黒毛和種において、水酸化アルミニウムゲルを用いたFSHの1回投与による過剰排卵処理を行うことにより、従来の漸減投与法と比較し遜色ない採卵成績が得られ、この方法が過剰排卵処理法の節易化、省力化を図るための技術として利用可能であることが示唆された。

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