オーニソガラム・ダビウムの実生球根利用による切り花栽培
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説明
オーニソガラムの切り花栽培で問題となる高い球根単価、購入球根のウイルス罹病に伴う品質低下の対策として、種子から育成した実生球根の利用による促成栽培について検討した。オーニソガラム・ダビウム(Ornihogalum dubium)は1花茎当たりの57個の小花が着生するが、人工交配しない放任状態での結莢率は9.6%と低く、1莢に108粒の種子数が稔るので1花茎当たり約590粒が得られる。種子の発芽適温は15-20℃である。実生球根の養成は、10月-1月に200穴のセルトレイに播種、最低夜温15℃で5月下旬まで育苗した後、潅水を控え休眠状態の管理とする。7月に堀上げ、乾燥貯蔵した球根を10月上旬にハウス内に定植し13℃で管理すれば、3月下旬に開花する。実生球根はウイルスの発生が無く、球径4mm以上で購入球根よりも開花が早く、採花本数および切り花品質が優れる。開花促進には休眠中の球根に対する温度処理は効果が低く、休眠打破した実生球根の夜冷処理の効果が高い。つまり、7月上旬に堀上げた休眠中の球根を、乾燥条件で20℃14週間の温度処理を行っても、開花は3月中下旬開花であり、しかも切り花品質の低下も見られる。しかし、11月に播種して5月末まで成育させた後、6-7月に間潅水を控え休眠化を図り、8月から再度潅水し休眠打破と同時に15℃16時間(17:00-9:00)で45日間夜冷育苗した実生球根を、9月中旬にハウスに定植し13℃で管理すれば2月に開花する。
収録刊行物
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- 愛媛県農業試験場研究報告 = Bulletin of the Ehime Agricultural Experiment Station
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愛媛県農業試験場研究報告 = Bulletin of the Ehime Agricultural Experiment Station (39), 27-36, 2005-12
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050282813667715584
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- ISSN
- 03887782
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB