分離海洋細菌Pseudomonas sp.MP-6株由来の抗MPSA物質の単離と性状
説明
近年、医療技術の進歩に伴う易感染患者の増加により、多剤耐性菌による院内感染が問題となっている。我々は、これまでに多剤耐性菌として問題視されているメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Mehicillin-Resisan Saphylococcus aureus、MRSA)に対して有効な新規抗生物質の開発を目的に研究を行い、顕著な抗MRSA活性を有する分離海洋細菌MP-6株を報告した。本研究では、MP-6株が産生する抗MRSA物質の分離・精製を行い、その性状の検討を行った。各種クロマトグラフィーを経て単離された抗MRSA物質MC34は分子量210のフェノール化合物であることが示唆された。また、MC34は、グラム陽性菌に対して既存の抗MRSA物質バンコマイシンに匹敵する抗菌活性を有した。さらに、MC34は供試細胞に対して比較的低毒性で、熱・pHの変化に対しても安定であった。以上の結果に基づき、MP-6株の産生物質MC34は、抗MRSA物質として有望であると考えられた。
収録刊行物
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- Coastal bioenvironment
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Coastal bioenvironment 6 33-42, 2005-12
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050282813667821824
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- ISSN
- 13487175
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB