山形県内の水田におけるケイ酸供給力の評価

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  • ヤマガタ ケンナイ ノ スイデン ニ オケル ケイサン キョウキュウリョク ノ ヒョウカ

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抄録

山形県内における水稲のケイ酸含有量の実態を把握し,土壌,灌漑水から供給されるケイ酸を評価した。リン酸緩衝液抽出による土壌可給態ケイ酸分析法の現地適応性を検討し,水-弱酸性陽イオン交換樹脂法によるケイ酸質資材の評価を組み合わせたケイ酸施用基準の策定を試みた。水稲成熟期茎葉のケイ酸含有率(県平均値)は10.1%であり,40年前の値と比較し0.7ポイント低下した。県内の主要な農業(灌漑)用水のケイ酸濃度(SiO2平均値)は10.2mg/lであり,1956年と比較し半分以下に低下した。pH6.95リン酸緩衝液抽出法(pH6.95・0.02M・5時間抽出)による土壌の可給態ケイ酸含量(SiO2平均値)は8.7mg/100g乾土であった。沖積土壌において単年度で茎葉ケイ酸含有率を11%(改善目標値)まで高めるために必要なケイ酸質資材の施用量は,pH6.2リン酸緩衝液抽出法(pH6.2・0.04M・24時間抽出)による土壌の可給態ケイ酸(SiO2)含有量が20mg/100gの場合,10a当たり60kg(水溶性ケイ酸SiO2として)であった。pH6.2リン酸緩衝液抽出法による値をpH6.95リン酸緩衝液抽出法による値へ読み替えることが可能であった。

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