山形県において斑点米を発生させるカメムシ類の生態と防除に関する研究

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  • ヤマガタケン ニ オイテ ハンテン マイ オ ハッセイ サセル カメムシルイ ノ セイタイ ト ボウジョ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

県内で斑点米を発生させるカメムシとして特に問題となるアカヒゲホソミドリカスミカメTrigonotylus caelestialiumを主体に生態および防除に関する試験を行った。アカヒゲホソミドリカスミカメは卵越冬で年間4世代経過し,水田は主に出穂と同時に第2世代成虫が飛来し,1世代経過するものと考えられた。イネの熟期別にアカヒゲホソミドリカスミカメの放飼試験を行った結果,出穂期から出穂10日後頃までの放飼による斑点米の発生は少ないが,出穂10日以降から収穫期までの発生が多くなった。また玄米における斑紋形成部位は登熟前半では頂部に,後半は側部での割合が高かった。アカヒゲホソミドリカスミカメによる斑点米の発生は品種による異なり,特に割れ籾との関係が大きかった。防除適期は,2回散布の場合,出穂期10日後および16日後頃であった。有機リン系4剤,カーバーメト系1剤,合成ピレストロイド系2剤の薬剤試験の結果では有機リン系のDEP剤,PAP剤の殺虫効果は高かったが,残効は全般に短かった。ネオニコチノイドを有効成分とする各種粒剤の湛水処理による防除試験では,いずれの薬剤も高い効果が認められた。雑草管理による斑点米カメムシ類の生息密度低減効果試験の結果では,草刈りや除草剤により密度は低下し,特に除草剤を使用すると抑制効果が高かった。

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