サトイモ(Colocasia esculenta Schott)の組織中シュウ酸カルシウム結晶密度における品種間差異

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  • サトイモ Colocasia esculenta Schott ノ ソシキチュウ シュウサン カルシウム ケッショウ ミツド ニ オケル ヒンシュカン サイ

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サトイモ(Colocasia esculena Scho)は、葉柄や球茎にシュウ酸カルシウム結晶を含む細胞が含まれ、この結晶が舌を刺激し、えぐ味として感じられることが知られている。本研究では、葉柄および球茎におけるシュウ酸カルシウム結晶を含む細胞および不溶性シュウ酸塩含量における品種間差異について検討した。サトイモ組織には、針状結晶が束となった束晶や、板状結晶が集合した集晶を含む細胞がみられた。束晶を含む細胞は葉柄でみられ、球茎ではほとんどみられなかった。葉柄や親芋組織のシュウ酸カルシウム結晶を含む細胞の密度は、品種間で大きな違いがあり、葉柄も食用とされる‘八頭’では葉柄組織での密度が低く、親芋も食用とされる‘八頭’、‘赤芽大吉’、‘筍芋’、‘マレーシア1’では親芋組織での密度が低かった。いずれの品種でも、子芋や孫芋ではシュウ酸カルシウム結晶を含む細胞はほとんどみられなかった。組織の不溶性シュウ酸塩濃度は、シュウ酸カルシウム結晶を含む細胞密度と比較して品種間差が少なく、両者の相関はみられなかった。以上の結果、サトイモの葉柄や球茎の食味は、組織のシュウ酸カルシウム結晶を含む細胞密度と関連し、シュウ酸塩濃度とは関連していないことが示された。

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