多雪地帯の壮齢林におけるウリハダカエデの伏条更新 : 主伐までの林内に高木性稚樹を確保する前更更新の可能性

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  • タセツ チタイ ノ ソウレイリン ニ オケル ウリハダカエデ ノ フクジョウ コウシン シュバツ マデ ノ ハヤシ ナイ ニ コウボクセイチジュ オ カクホ スル ゼン サラサラ シン ノ カノウセイ

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説明

多雪地帯(積雪深2.0~2.5m)において、適正に密度管理された47年生スギ壮齢林内に一斉に更新したウリハダカエデの更新形態を調査し、主伐までの林内に高木性の更新稚樹を確保する「前更更新」の可能性を考察した。ウリハダカエデは、実生繁殖の他に栄養繁殖である伏条繁殖の2種類の繁殖様式による更新を行っていた。すなわち、光環境の良い林縁付近では実生繁殖で更新した。しかし、スギ林内では、実生繁殖以外に実生由来の更新稚樹が積雪圧等の攪乱により林床面に押しつけられたまま倒伏し、埋幹とともに幹から不定根を発根する伏条の繁殖様式が増加した。このようにウリハダカエデの更新は、積雪環境下においては実生繁殖と伏条繁殖を相互に補完し合いながら生育地を拡大する繁殖戦略をとっていることがわかった。ウリハダカエデの更新事例から、近隣に成立する広葉樹林等の種子供給源からもたらされる高木性の後継樹を主伐までの林内に確保しておき、後継樹の成長が見込める段階になった時点で上木を皆伐する前更更新の施業体系が成立する可能性を示唆するものであった。そして、ウリハダカエデには前更更新施業において、更新させる高木性樹種としての更新特性を有する可能性が見いだされた。

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