マツカワの体表に寄生したトリコジナ類の駆虫方法(2) : 淡水浴によるトリコジナ駆虫効果とマツカワ稚魚の淡水耐性

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タイトル別名
  • マツカワ ノ タイヒョウ ニ キセイシタ トリコジナルイ ノ クチュウ ホウホウ 2 タンスイヨク ニ ヨル トリコジナ クチュウ コウカ ト マツカワ チギョ ノ タンスイ タイセイ

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説明

前報の培養実験において、人工養成マツカワに寄生被害を及ぼす原虫トリコジナ類に対する有効な殺虫方法(30分間以上淡水に浸漬すること)が明らかとなった。そこで、本研究では淡水浴によるトリコジナ駆虫効果を実験的に確認するとともに、マツカワの淡水耐性について調べた。1.トリコジナに感染したマツカワ1歳魚に淡水浴を施し、淡水浴後の寄生状況を経時的に調べた。その結果、15分間淡水浴を行った場合、寄生数は一時的に減少したものの、2週間後、再び著しく増加した。一方、淡水浴を30分間行った場合、淡水浴から4週間経過しても寄生数はゼロのままであり、完全に駆虫することができた。2.マツカワの淡水耐性を把握するため、当歳魚を24時間淡水中で飼育し、生残率および生理機能の変化を調べた。その結果、本種の稚魚は、約3時間程度であれば淡水中でも生理的な恒常性を保つことができ、生存可能であることがわかった。3.ホルマリン浴に替わる効果的、且つ、安全なトリコジナ駆虫方法として、30分間の淡水浴が適切と考えられた。

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