関東育種基本区のスギ精英樹におけるアレルゲン含量のクローン間変異

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  • カントウ イクシュ キホンク ノ スギ セイエイジュ ニ オケル アレルゲン ガンリョウ ノ クローンカン ヘンイ

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抄録

近年深刻化しているスギ花粉症の対策として、アレルゲン生産量が少ない品種の育成が求められている。アレルゲン生産量は、花粉生産量と単位花粉重量当たりのアレルゲン含量の積で求められることから、雄花着生量及びアレルゲン含量の少ないスギ精英樹を利用することによって、花粉症を軽減できると考えられる。筆者らは、雄花着生量が少ない精英樹146クローンを対象に、2002年から2005年の4年間、主要アレルゲンCryj1及びCryj2の含量を調査し、いずれもが少ないクローンを明らかにした。146クローンにおけるCryj1及びCryj2含量のクローン最小自乗推定値の平均値及び標準偏差は453±125μg及び420±143μgであり、顕著な差異が認められた。Cryj1及びCryj2含量のクローン最小自乗推定値が最も少なかったクローンは天竜17号であり、88μg及び74μgであった。さらに、その他のクローンのCryj1含量及びCryj2含量について、天竜17号に対する検定を行い、Cryj1含量とCryj2含量のいずれもが少ないクローンを明らかにした。天竜17号は「花粉の少ないスギ」品種でもあることから、特に花粉症対策に有効なクローンとして、「アレルゲンの少ないスギ」品種として公表した。

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