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  • Water-holding capacity and basin storage at forest catchments in Japan
  • シンリン リュウイキ ノ ホスイ ヨウリョウ ト リュウイキ チョリュウリョウ

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説明

森林流域の水源かん養機能の指標である保水容量と流域貯留量について理解を深めるため、既往成果の整理と収集した52流域(流域規模:10 -2~10 2 km2)について簡易な水文解析を行った。これらの指標は、森林流域は降雨中に雨水をどれだけ流域内に一時的に貯留できるかという概念に基づくものである。孔隙量と土壌深の積として定義される保水容量は200~500 mmの範囲にあり、それは土層の規模により決まる。総降雨量と損失雨量の関係より求まる流域貯留量は50~250 mmの範囲にあり、表層地質と土壌型により異なる。流域貯留量の最大値は花崗岩・火山灰の流域であり、次いで変成岩類の流域、堆積岩・火山岩の流域の順であった。これらの結果より、森林流域の保水容量はわが国の多目的ダムの平均有効貯水容量(相当雨量)より多く、流域貯留量は洪水調節量とほぼ同じであることが分かった。したがって、水源地帯の森林流域は、洪水調節と水資源のかん養に貢献する自然の貯水池である。

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