イプシロン-ポリリジン微小粒子はTh1側のサイトカイン産生を惹起する

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  • Epsilon-polylysine microparticle adjuvant drives cytokine production to Th1 profile

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抄録

イプシロン-ポリリジン微小粒子(SGEPL)とポリエチレンイミン微小粒子(SGPEI)を、疎水基を導入することにより開発し、これら微粒子と水酸化アルミニウム(ALUM)について免疫学的特性を調べた。抗原を卵白アルブミン(OVA)とし、SGEPLとSGPEIおよびALUMをアジュバントとしてマウス(BALB/c)に腹腔内投与した。結果、SGEPLは血中の抗OVA-IgG2a抗体の産生を有意に増強し、脾臓細胞からのIL-4、IL-5の産生を抑え、IL-12とIFN-γの産生を増強した。OVA抗原がなくても同様のサイトカイン産生が見られた。naive BALB/cマウスの脾細胞にSGEPLを加えて培養すると、IL-12とIFN-γの産生が増強された。脾細胞ならびに精製B細胞をIL-4および抗CD-40モノクローナル抗体とともに培養すると、IgG1とともにIgEが産生された。SGEPLを加えておくと、IFN-γの産生増強により、IgEの産生を抑制した。さらに精製B細胞からのIgE産生をIL-12やIFN-γの影響なしでも抑制した。このように、SGEPLはTh1側のサイトカイン産生を惹起することが示された。以上の観点から、SGEPLは有望な新規アジュバントであると考えられる。

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参考文献 (25)*注記

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