シリア産ジャガイモYウイルスに対するポリクローナル抗体の初作製

書誌事項

タイトル別名
  • The First Report of Polyclonal Antibody Production of a Syrian Isolate of Potato virus Y

この論文をさがす

抄録

ジャガイモYウイルス(PVY)はシリアのジャガイモ生産における主要ウイルスの一つとされ、ジャガイモ生産の阻害要因となっている。PVY感染の無い種イモの生産と供給が主要な防除手段であるが、そのためには、効果的なウイルス検査法が必要である。酵素結合抗体法(ELISA)は複数種類のジャガイモウイルス検出には最も一般的な技術であるが、それぞれのウイルスに対して特異的な抗血清が利用できることが必須条件となる。本研究では、シリアに発生したPVY分離株を純化し、ウサギに免疫することにより抗血清をはじめて作製した。この抗血清を利用し多くのシリア産PVYを用いたELISAによる検討では、市販の抗血清と同等の検出能力を有し、両抗血清間に結果の相違は認められなかった。また、非特異的反応も生じなかった。さらに、検出限界は高かった。以上より、本研究ではシリアで分離されたPVYに対して初めてシリア国産抗血清を得ることができ、抗血清の恒常的輸入を不要にしたことに大きな意義があると考えられる。

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ