ハイブッシュブルーベリーとラビットアイブルーベリーの種間雑種の高pH土壌適応性

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  • ハイブッシュ ブルーベリー ト ラビットアイ ブルーベリー ノ シュカン ザッシュ ノ コウpH ドジョウ テキオウセイ

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抄録

ブルーベリーは酸性の強い土壌を好むが、ラビットアイブルーベリーはハイブッシュブルーベリーよりも高pH土壌への適応性が高いとされる。そこで、両種の種間雑種についてポットおよび土耕栽培により高pH土壌適応性の程度を評価した。pH5.5〜7.0の用土でポット栽培を行い、2年目に植物体地上部の乾物重を調査した結果、pH6.5〜7.0の高pH条件は種間雑種および両親種の生育を抑制し、乾物重を同程度に低下させた。ただし、ラビットアイについてはpH6.5の高pH条件においてハイブッシュよりも顕著な適応性を有する個体を選抜できることが示唆された。また、いずれのpH区においてもラビットアイと種間雑種の乾物重は常にハイブッシュを1.2〜2倍も上回っていた。pH5.0と6.5の土壌で土耕栽培を行った結果、6.5区の多くの個体が2年目までに生育不良を起こして枯死したが、種間雑種は両親種より生存率が高い傾向であった。また、pH6.5区における2年目の種間雑種の平均樹高はハイブッシュより有意に高かった。pH5.0区のラビットアイ品種「ティフブルー」は旺盛な生育を示したが、その平均樹高を超える種間雑種個体がpH6.5区から7株得られ、獲得率は6%であった。以上のことから、種間雑種はpH5.5〜7.0の高pH条件下でラビットアイと同程度の樹勢の強さと適応性を有し、ハイブッシュよりも生育が優れることが明らかとなった。高pH圃場で選抜された種間雑種個体は、ハイブッシュに高pH土壌適応性を付与する新しい育種素材として期待できる。

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