収量性および製粉性が改善されたもち性小麦新品種「うららもち」の育成

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  • シュウリョウセイ オヨビ セイフンセイ ガ カイゼンサレタ モチセイ コムギ シンヒンシュ ウララモチ ノ イクセイ

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抄録

1. 「うららもち」は、もち性系統の収量性の向上、製粉性、粉色の改良を育種目標として、1994年度に早生多収高製粉性の「バンドウワセ」を母に、もち性の「谷系H1881(のちの「あけぼのもち」)」を父に人工交配を行い、F1世代でトウモロコシ法による半数体育種法を適用して育種年限の短縮を図り育成した品種である。2. 「あけぼのもち」と比較して、次のような長所がある。1)稈長がやや長く、収量性が優れる。2)製粉歩留、ミリングスコアがやや高い。3. 「農林61号」と比較した一般的な特性は次の通りである。1)播性程度はIIで、出穂期、成熟期ともに1日程度早い中生の褐ぷ品種である。2)稈長はやや短く、粒の形は中、粒の色は黄褐で、粒質は粉状質である。3)千粒重と容積重はやや小さく、収量性は同程度である。4)縞萎縮病と赤さび病に強く、赤かび病とうどんこ病には同程度、穂発芽性は難である。5)もち性のためアミロース含量は極少で、60%粉の白さ、明るさは低い。6)ファリノグラムの吸水率はかなり高く、エキステンソグラムの生地の伸張抵抗は弱い。アミログラムの最高粘度はやや大きく、ブレークダウンはかなり大きい。4. 栽培適地は温暖地の平坦地である。もち性小麦をブレンドしたうどん、パン、カステラ、クレープ、和菓子など地域特産的な用途が考えられている。

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