減圧乾燥装置を用いたあんぽ柿の製造法と高品質加工条件

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  • ゲンアツ カンソウ ソウチ オ モチイタ アンポガキ ノ セイゾウホウ ト コウヒンシツ カコウ ジョウケン

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抄録

あんぽ柿は、従来の自然乾燥による製造法においては約20日の製造日数を要し、その長短や製品の品質は乾燥期間中の天候に左右される。このため、減圧乾燥装置を用いて、短期間で品質の良いあんぽ柿を製造する方法を開発した(写真1)。減圧乾燥装置を用いる場合の温度条件と乾燥時間は、50℃・4時間の乾燥と、20時間の室温乾燥を組み合わせることにより、高品質の製品が得られた。この乾燥条件では1日当たり2〜3サイクルを組むことが可能であり、連続乾燥よりも効率的に製造することが可能であった。また、乾燥所要時間は果実の重量によって異なるため、規格ごとに分けて乾燥時間を調整すれば、より均一な製品が得られる。この際、果肉表面の褐変防止処理として、L-アスコルビン酸の効率的な処理方法を明らかにした。さらに、生食用の柿を原料としてただちに製造を始めると、製品の品質が劣る場合があるため、原料柿の熟度が加工品の品質に及ぼす影響について検討するとともに、製品の水分含量と水分活性が、製品保存中の離水(以下、ドリップという)発生程度に及ぼす影響について調査した。以上の結果から、減圧乾燥装置を用いたあんぽ柿の製造方法を確立するとともに、その経済性試算を行った。

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