牛ふんにポリ乳酸を添加した発酵堆肥と野菜栽培

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  • ギュウフン ニ ポリ ニュウサン オ テンカシタ ハッコウ タイヒ ト ヤサイ サイバイ

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ポリ乳酸(PLA)を発酵させた堆肥が野菜の収量と化学的成分にどのような影響を及ぼすか試験を行った。堆肥は3種類とし、使用済みのPLA、牛ふん、オガクズを容量比で0:50:50に混合し発酵させたPLA0%堆肥、同じく10:45:45のPLA10%堆肥、同じく、20:40:40とするPLA20%堆肥とした。発酵期間はいずれも約3ヶ月であった。試験区は基肥肥料として化成肥料を投与した化成区、その化成肥料の半分量をPLA0%堆肥で代替したPLA0%区、同じくPLA10%堆肥で代替したPLA10%区、同じくPLA20%堆肥で代替したPLA20%区の4区とした。栽培した野菜はレタスとホウレンソウとした。その結果は次のとおりであった。1.レタスの収量は化成区359kg/a、PLA0%区356kg/a、PLA10%区405kg/aおよびPLA20%区375kg/aで、ホウレンソウの収量は化成区85.8kg/a、PLA0%区83.5kg/a、PLA10%区105.6kg/aおよびPLA20%区87.1kg/aであった。これらは試験区間に有意差はなかった。2.レタスの硝酸態窒素含量は化成区4.6mg/100g、PLA0%区6.4mg/100g、PLA10%区5.0mg/100gおよびPLA20%区6.2mg/100gで、化成区よりもPLA0%区とPLA20%区が有意に多かった(p<0.01)。ホウレンソウの硝酸態窒素含量は試験区間に有意差はなかった。3.レタスおよびホウレンソウのL-アスコルビン酸含量には試験区間の有意差はなかった。以上の結果、牛ふんとオガクズの混合物に容量比でPLAを10%あるいは20%添加し、3ヶ月間発酵さた堆肥は、レタスとホウレンソウに基肥肥料として与えても収量および化学的成分に何ら影響を与えなかった。また、これらは化成肥料の半量を代替できた。

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