食用担子菌の成育に及ぼすカラマツ水抽出物の影響に関する研究

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  • ショクヨウ タンシキン ノ セイイク ニ オヨボス カラマツミズ チュウシュツ

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抄録

本研究では、カラマツ水抽出物のきのこ菌糸体の成長と子実体形成に及ぼす影響を明らかにしてカラマツ水抽出物を食用きのこ栽培の成長促進剤として利用することを目的に、第1章では担子菌類の成長に影響を及ぼす樹木抽出物、カラマツ材抽出物に関する既往の研究を述べ、第2章では、産地の異なるカラマツ材、すなわちシベリア産、長野県産、北海道産のカラマツ材について、その水抽出物の化学組成を明らかにし、各々の水抽出物が数種の食用きのこ菌糸体の成長に及ぼす影響を比較検討した。第3章ではカラマツ水抽出物の添加により最も顕著な菌糸体成長を示したヒラタケ菌を用いて、カラマツ水抽出物の資化性と菌体外酵素の産出状況を、第4章では培養経過に伴う菌糸体成長の変化と菌体外酵素活性の経時変化を明らかにして、菌糸体成長に及ぼすカラマツ水抽出物の促進作用とヒラタケ菌によるカラマツ水抽出物の分解様式を論議した。第5章ではカラマツ水抽出物を鋸屑培地および鋸屑以外の未利用基材の培地に添加してヒラタケ栽培を試み、カラマツ水抽出物の実用的な利用性について検討した。これらの結果に基づき、第6章ではカラマツ水抽出物の食用担子菌類に及ぼす生理作用と食用きのこ栽培への利用性について、今後の展望を含めて総合的に論議した。

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