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タイトル別名
  • ダイキボ シセツ エンゲイ ノ ドウコウ

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説明

現在、施設園芸の各作目で大規模化の動きがみられ、これらの経営体は今後の施設園芸の担い手の一つと想定される。本報告では、大規模施設園芸経営体の現状と動向について分析した。1.施設規模1ha以上をめやすに調査すると、全国に117の大規模施設園芸経営体が存在することが確認できた。そのうち76%が野菜、他が花き及び苗物経営であった。野菜の作目はトマト及び葉菜類が大部分である。近年、特にトマト作導入の動きが顕著である。2.これらの大規模施設園芸経営は、各種の補助事業の活用や地域の農業施策のあり方によって導入の程度が異なり、都道府県による偏在がある。3.トマトの企業経営においては、規模の経済を発揮するため、導入の年次をおって農場の規模が大きくなり、1農場10haに達している。しかし、事業としての収益性はそれほど大きくない。一方、農家の導入した大規模施設は2ha程度までであり、経営状況は収益を確保できる段階にある。4.先行する経営体の事例調査から、今後の施設園芸の担い手として大規模経営の導入を支援するには、(1)初期投資の低減が可能な低コスト施設の開発、(2)収益性向上のための省力・低コスト生産技術及び(3)高収量と省力栽培が可能な品種開発の3つの課題がある。また、行政的には大規模経営を推進する施策体系の整備が必要である。

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被引用文献 (1)*注記

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