飼料イネ生産・利用システムのモデル構築

書誌事項

タイトル別名
  • シリョウ イネ セイサン リヨウ システム ノ モデル コウチク

この論文をさがす

説明

飼料の自給率の向上、地域の水田機能維持を図る上で有効な飼料イネについて、現地実証試験を行いその結果を基に、経営評価、導入・定着条件の抽出、モデル化の検討を行った。1.飼料イネは、食用水稲の栽培技術ではコストが高くなるため、飼料作物としての「省力・低コスト栽培技術の導入」が必要である。試験結果より、湛水直播とコンバインベーラー体系の導入が有効である。2.専用品種「ホシアオバ」、「クサノホシ」を組み合わせた場合の機械負担面積は23haであり、生産・給与農家の確保、稲わら収集等の汎用利用を行うことでTDN当たり単価89円/kgの安価な飼料の生産が可能となる。3.飼料イネが地域に定着するためには、「省力・低コスト栽培技術の導入」に加え、「生産の体制づくり」、「製品保証」の条件を達成し、機械の効率的利用を行うための調整組織を設置することである。4.飼料イネに対する畜産農家の利用意向については、回答者の7割の農家に潜在的需要がある。飼料イネの推進にあたっては、導入における不安を解消するため、生産・飼養両面の情報を一体的に提供すること、価格等は畜産農家が理解しやすい表現に加工して示すことなど、情報を耕種側、畜産側が相互に共有することが重要である。5.現地実証結果を基に、町村域を越えた広域の生産・利用システムモデルが構築された。その特徴は、第3者である役場が調整主体となり、飼料イネ作付け前から、作付並びに機械利用計画が策定され、耕種、畜産農家の合意が図られていることである。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ