アラスカにおける緯度の違いに伴う地表と空中の昆虫相の遷移

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  • アラスカ ニ オケル イド ノ チガイ ニ トモナウ チヒョウ ト クウチュウ ノ コンチュウソウ ノ センイ

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アメリカ合衆国アラスカ州の北緯66〜70°において、2006年8月2日から8月6日にかけて空中と地表部の昆虫を採集し、目単位の昆虫総数、その組成および1m2あたりの個体密度をそれぞれ求め、緯度の違いに伴う変化を考察した。空中の採集にはトラックトラップを、地表部の採集にはスイーピングを用いた。各緯度の空中で採集した昆虫の捕獲数は、北緯68°の森林限界を境に大きく減少し、さらに今回調査をした中で最も高緯度であった北緯70°では皆無であり、緯度と昆虫捕獲数との間に有意な負の相関が認められた。空中では常に双翅目の占める割合が著しく大きかったことに比べ、地表部では南部においてその割合が小さかった。つまり、地表部では昆虫相が多様でも空中へ飛翔する昆虫の多くは双翅目であると言える。しかし、地表部でも緯度の上昇に伴って、双翅目の占める割合が大きくなり、緯度の上昇に伴い昆虫相が単純化した。

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