多収・良食味で穂発芽性難の早期水稲新品種‘ゆがふもち’の育成

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  • タシュウ リョウ ショクミ デ ホ ハツガセイナン ノ ソウキ スイトウ シン ヒンシュ ユ ガ フ モチ ノ イクセイ

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抄録

‘ゆがふもち’は、1995年に鹿児島県農業試験場(現鹿児島県農業開発総合センター)において、早期栽培向けの早生、多収、良食味で耐穂発芽性、いもち病抵抗性を備えた糯品種の育成を目的に、いもち病抵抗性が強く穂発芽性難の多収糯系統‘奥羽糯347号’を母本として、耐倒伏性、いもち病抵抗性が強い粳系統の‘ふ系176号’を父本として人工交配を行い育成した。鹿児島県を含む13県で奨励品種決定調査に供試され、2008年7月に沖縄県で奨励品種に採用された。‘ゆがふもち’は暖地では「早生」に属し、‘峰の雪もち’と比べ耐穂発芽性、いもち病抵抗性、収量性に優れる。餅やおこわの食味は‘峰の雪もち’並に良い。奨励品種に採用した沖縄県では、対象品種の‘ウルマモチ’より穂発芽しにくく、千粒重が重く、多収である。また、玄米外観品質が優れ、おこわの食味が良い。沖縄県では糯米の用途としておこわの利用が多いことから、大粒で食味が良くおこわに向く品種として‘ウルマモチ’に替えて普及予定である。‘ゆがふもち’は穂いもち抵抗性が「中」であり、過剰な施肥を避け、適期防除を行う。

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