缶入り酸性食品からの変敗原因菌の分離とその性状

抄録

変敗した缶入り酸性食品から変敗菌を分離した。変敗菌は好気条件下では発育せず、ガス発生および芽胞の形成が観察された。分子生物学的手法を用いた同定を行った結果、Clostridium pasteurianumと推定された。分離菌芽胞の耐熱性試験を行った結果、pH4.0におけるD95℃値は10.4分であり酸性下で強い耐熱性を示した。また、栄養細胞はpH3.8での発育が観察されたが、芽胞はpH4.5以下で増殖しなかった。本変敗事例は、加熱殺菌後残存した芽胞が何らかの刺激で発芽および増殖したことが原因と考えられた。

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