終夜照明した緑色光または黄色光が数品種のイチゴの出蕾と成長に及ぼす影響

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  • シュウヤ ショウメイ シタ リョクショクコウ マタワ オウショクコウ ガ スウ ヒンシュ ノ イチゴ ノ シュツライ ト セイチョウ ニ オヨボス エイキョウ

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説明

植物への光の影響を軽減した防蛾灯を開発するために、緑色光の終夜照明がイチゴ5品種の花芽分化・発達および成長に及ぼす影響について、慣行の防蛾灯である黄色光による影響とともに検討した。緑色光または黄色光による終夜照明の強さを変えて(0.02〜0.10μmol/m2/s)、定植後73日間イチゴへ照射した。花芽の分化・発達について二次側花房までの出蕾を調査したところ、緑色光下において、‘章姫’、‘さがほのか’、‘紅ほっぺ’では0.06μmol/m2/sまで対照区と比較しても出蕾が遅れなかった。一方、黄色光下では、‘さがほのか’が0.06、‘紅ほっぺ’が0.04、‘章姫’が0.02μmol/m2/sまで出蕾が遅れなかった。‘さちのか’は一次側花房では、緑色光下で0.04μmol/m2/sまで出蕾が遅れなかったのに対して、黄色光下では0.02μmol/m2/sでもすでに出蕾が遅れた。‘とちおとめ’は、緑色または黄色光下でも0.10μmol/m2/sまでは有意な出蕾の遅れは見られなかったが、黄色光下では0.04〜0.06μmol/m2/s辺りから出蕾のばらつきや側枝の葉数が増加する傾向が見られた。また黄色光の方が、品種によらず強度が高くなるにつれて葉柄長、葉身長が長くなり、葉色が薄くなる傾向が見られた。これらの結果から、緑色光の方が、高強度でもイチゴの花芽分化・発達や葉の成長への影響が小さく、従来、防蛾灯として利用されている黄色光よりも、イチゴに対しては防蛾灯としての有用性が高いことが明らかとなった。

収録刊行物

  • 農業氣象

    農業氣象 65 (3), 261-272, 2009-09

    Tokyo : The Society of Agricultural Meteorology of Japan

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (17)*注記

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