ミニブタの毛色コントロール

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  • ミニブタ ノ ケイロ コントロール

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ブタの毛色関連遺伝子であるE遺伝子座のMC1R遺伝子、I遺伝子座のKIT遺伝子を解析し、ミニブタの毛色のコントロールが可能かどうか検討した。当センターおよび県内農場で飼育されている開発中の極小ミニブタ(ミニブタ)の毛色関連遺伝子の多型をPCR-RFLP法で調べたところ、MC1R遺伝子は、すべて優性黒色対立遺伝子E(E)のホモ接合型(E/E)であった。KIT遺伝子は、毛色が黒・灰色の個体では、劣性対立遺伝子i(i)のホモ接合型(i/i)であったが、毛色が白色の個体では、優性白色対立遺伝子I(I)のホモ接合型(I/I)もしくはヘテロ接合型(I/i)であり、ホモ接合型(I/I)とヘテロ接合型(I/i)の区別はつかなかった。そこで、優性白色のI遺伝子座では、KIT遺伝子が重複し、そのイントロン17の最初の塩基GがAに変異していることを利用し、Iのホモ接合型(I/I)とヘテロ接合型(I/i)を判別することを試みた。(1)自身の毛色が白色であり、その産出豚の全てが白の毛色を持ち、Iのホモ接合型(I/I)であると推察されるミニブタ、(2)自身の毛色は白色であるが、その産出豚に黒・灰・白色がおり、Iのヘテロ接合型(I/i)であると推察されるミニブタ、(3)iのホモ接合型(i/i)である毛色が黒・灰色のミニブタについて塩基配列を解析し、イントロン17の最初の塩基のシーケンスデータを、Iのホモ接合型(I/I)である大ヨークシャー種(W種)、iのホモ接合型(i/i)であるデュロック種(D種)、両者を交配して得られたIのヘテロ接合型(I/i)である交雑種(WD種)の結果と比較した。その結果、G:Aの比率が(1)の個体ではW種と同じ1:1、(2)の個体ではWD種と同じ2:1、(3)の個体ではD種と同じGのみとなり、Iのホモ接合型(I/I)、ヘテロ接合型(I/i)の区別が可能であると推察された。以上のことから、KIT遺伝子の塩基のシーケンスデータによる識別法は、ミニブタのIのホモ接合型(I/I)、ヘテロ接合型(I/i)を区別する方法として有効であり、ミニブタの毛色コントロールのために活用可能であることが示唆された。

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