わが国の農業経済学分野における多属性型表明選好法とコンジョイント分析の応用 : 1990年代後半から2005年まで

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タイトル別名
  • Application of multi-attribute stated preference methods and conjoint analysis in agricultural economics in Japan: from the latter half of the 1990s to 2005

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抄録

本資料では,わが国の農業経済学分野において,多属性型表明選好法とコンジョイント分析を利用して取り組まれてきた研究テーマを整理し,その特徴と今後の課題を明らかにした。本資料における多属性型表明選好法は,確率効用理論をベースとした離散選択モデルにより回答結果を分析するものであり,回答形式が選択実験,仮想順位付,仮想評定,および一対比較であるものを含む。コンジョイント分析とは,いわゆる伝統的コンジョイント分析に該当する。取り上げている研究領域は,消費者研究(農畜産物の特徴の消費者評価,食品安全性の消費者評価),農業経営研究(農業者による新技術,生産要素,および農家支援サービスの評価,農地利用に関する意思決定分析),および農村計画研究(農業・農村の多面的機能の経済評価,施設整備計画の住民・利用者評価)である。各研究領域には固有の特徴や課題が見られる一方,顕示選好データと表明選好データの統合による分析精度の向上などの共通する課題も見られた。共通する課題については,各研究領域での成果を相互に参照することで,効率的に対応することが可能となろう。

収録刊行物

  • 農村工学研究所技報

    農村工学研究所技報 (210), 265-284, 2010-03

    つくば : 農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究所

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