Mechanism of action and selectivity of a novel fungicide, pyribencarb

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  • 新規殺菌剤ピリベンカルブの作用機構と選択性

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ピリベンカルブはキュウリ灰色かび病菌呼吸鎖電子伝達系のコハク酸-チトクロム還元酵素(SCR:複合体IIおよびIIIの活性)およびデシルユビキノール-チトクロムc還元酵素(複合体IIIの活性)を低濃度で阻害した。デシルユビキノールの濃度を変化させたときの阻害形式はアンチマイシンAとは異なりQo阻害剤のストロビルリン系殺菌剤と同様に不拮抗型であった。そしてこのときのピリベンカルブの阻害定数は13nMであった。したがって、ピリベンカルブの作用点は複合体IIIのチトクロムb上のQoサイトであると判断された。一方、ピリベンカルブの植物、ラットならびにコイのSCR阻害は弱く、生物種間で選択性が認められた。この選択性は供試したストロビルリン系殺菌剤よりも優れたものであった。また、ピリベンカルブはストロビルリン系殺菌剤耐性となるチトクロムbの変異をもつキュウリ灰色かび病のSCRを比較的低濃度で阻害したことから、ピリベンカルブとストロビルリン系殺菌剤のチトクロムbへの結合の仕方は少し異なると考えられた。そこで、キュウリ灰色かび病菌のチトクロムb遺伝子の核酸配列を明らかにして、推定アミノ酸配列を他のカビ類、酵母、作物、ラットならびにコイの配列と比較することで、ピリベンカルブのチトクロムb上の結合部位について考察した。

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