奈良県におけるナミハダニ黄緑型の殺ダニ剤感受性の推移

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  • ナラケン ニ オケル ナミハダニ オウリョクガタ ノ サツダニザイ カンジュセイ ノ スイイ

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抄録

県内のナミハダニ黄緑型に対する各種殺ダニ剤の効果を確認するため、イチゴ、キク、バラに寄生する個体群を対象に実施したインゲン葉のリーフディスクを用いた薬剤感受性検定の過去約10年間の結果を整理した。1.イチゴに寄生する個体群のクロルフェナピル水和剤に対する補正死虫率は1999年までは比較的高かったが、2000年以降、急激に低下した。ミルベメクチン乳剤やビフェナゼート水和剤、エマメクチン安息香酸塩乳剤は高い効果が維持されていた。殺卵剤では、ヘキシチアゾクス水和剤の孵化抑制効果が低下した個体群が多く、エトキサゾール水和剤は2005年以降、殺卵効果が低下した。2.キクに寄生する個体群の感受性もイチゴの個体群とほぼ同様の傾向であった。また、アセキノシル水和剤に対して感受性が低下した個体群も増加していた。殺卵剤ではエトキサゾール水和剤は、多くの個体群で感受性が低下していたが、テトラジホン乳剤は比較的高い効果を示した。3.バラに寄生する個体群では、ミルベメクチン乳剤やビフェナゼート水和剤に対して著しく補正死虫率が低い個体群が存在した。アセキノシル水和剤に対しても感受性が低下した個体群が多かった。殺卵剤では、エトキサゾール水和剤についてはキクと同様の傾向であった。4.バラでは、約10年前に、現在効果が低下している殺ダニ剤を年間10回以上使用していた。

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