家畜ふん堆肥を連続施用した飼料畑における土壌溶液中の硝酸態窒素の推移

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  • カチクフンタイヒ オ レンゾクシヨウ シタ シリョウバタケ ニ オケル ドジョウ ヨウエキ チュウ ノ ショウサンタイ チッソ ノ スイイ

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説明

1)土壌溶液中の硝酸態窒素濃度は、冬作のイタリアンライグラスで高く、夏作の飼料用トウモロコシで低く推移した。2)土壌溶液中の硝酸態窒素濃度は、堆肥施用量(窒素施用量)が多いほど高く推移した。また、堆肥施用量(窒素施用量)が多いほど、そのピークの発生は遅かった。3)堆肥を連用しても土壌溶液中の硝酸態窒素濃度が高まる傾向はみられなかった。4)堆肥の施用量が増加すると収量が増加する傾向が見られたが、イタリアンライグラスの収量は、堆肥20t施用でも標準区とほぼ同等、飼料用トウモロコシの20t施用でも7〜13%上回る程度であった。収量面における堆肥増施による増収効果はあまり期待できないものと考えられる。5)標準区においては窒素利用率が大きく、窒素収支は小さかった。堆肥の施用量が増加すると窒素吸収量は微増したが、収量に大きな差がない、すなわち、飼料作物の吸収による持ち出し量の増加が見られないことから、窒素収支は、堆肥施用量が多くなると大きくなり、みかけの窒素利用率(吸収量/投入量)は小さくなった。堆肥20t施用区では12〜13%程度であった。6)土壌中の0-20cmにおける全炭素および全窒素は堆肥施用量に応じて増加し、蓄積傾向が見られた。7)10a当たり5t以上の堆肥施用は、100cm深でも10mg/Lを超える時期があったこと、また、窒素利用率が小さく、窒素収支が大きいことから、環境への負荷が大きく、地下水の硝酸態窒素環境基準を遵守するうえで過剰な施用量であると考えられた。

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