異なる電照光源および光強度による長日処理がワケギ初夏どり栽培用種球生産に及ぼす影響

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  • コトナル デンショウコウゲン オヨビ ヒカリ キョウド ニ ヨル チョウジツ ショリ ガ ワケギ ショカドリ サイバイヨウシュキュウ セイサン ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

ワケギの初夏どり栽培用の種球生産において、3月の掘り上げ時の鱗茎の肥大充実を促すため、長日処理時の3種の光源および土壌表面の光合成有効光量子束密度(PPFD)が鱗茎の肥大に及ぼす影響を検討し、さらにその鱗茎を種球として植え付け後の生育について検討した。1)初夏どり栽培用の種球生産において、電球色蛍光灯、植物栽培用蛍光灯および白熱電球を用いた長日処理によりいずれのPPFD(0.2〜0.4、0.5〜1.2および2.0〜2.7μmol/m2/sの3水準)でも掘り上げ時の鱗茎肥大が促進され、鱗茎の乾物重および乾物率が大きかった。特に、白熱電球を用い、PPFDを0.5〜2.7μmol/m2/sにすると、10月植え付け5月掘り上げの種球(鱗茎)の肥大指数と同等の2.5以上の種球が生産できた。2)長日処理を行い生産した種球(鱗茎)を植え付けて栽培すると、いずれの光源およびPPFDでも栽培終了時の草丈、株重および分げつ数が無処理と比較して大きく、特に、白熱電球を用いたPPFDが2.0〜2.7μmol/m2/sで優れた。以上の結果から、ワケギの初夏どり栽培用種球生産において、日長延長による長日処理は、鱗葉の発生と鱗茎肥大を促進する効果があることが示唆された。実用的には、初期投資が小さい白熱電球90Wを土壌表面から1.5mの高さに1a当たり25球設置し、12月下旬から約3か月間、16時間日長で電照し、土壌表面のPPFDを0.5〜1.2μmol/m2/sとするのが望ましい。

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