購買選択行動からみた青森産リンゴのヘルシンキ市場への輸出の可能性 : Finland WINE、FOOD & GOOD LIVING 2009におけるアンケート調査を用いて

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タイトル別名
  • コウバイ センタク コウドウ カラ ミタ アオモリサン リンゴ ノ ヘルシンキ シジョウ エ ノ ユシュツ ノ カノウセイ Finland WINE FOOD GOOD LIVING 2009 ニ オケル アンケート チョウサ オ モチイテ

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抄録

本稿では、青森産リンゴのへルシンキ市場への輸出の可能性を購買選択行動から検討した。まず、北欧の経済状況とリンゴの需給動向を総合的に考察した結果、人口は小規模ながら、国民所得や平均年収、購買力平価も高かった。そして、1人当たりのリンゴ供給量も極めて多いため、リンゴの輸出先国としては期待が持てる結果となった。続いて、ヘルシンキ市内の消資者の購買選択基準を考察した。その結果、回答者は糖度や鮮度、果汁、低価格性、有機栽培を評価した。特に回答者は日本産を高く評価した。青森産の小売価絡を日本国内の価格水準に近づけることができれば輸出は期待できる。他方、大玉リンゴは参加者から評価されたが、一般参加者と学生参加者とではその選好に違いが見られた。一般的に価格提示後も同じ品種を選択する確率は高いのだが、高価なときから安価なふじへ品種選択する参加者も多く、輸出には高価絡がネックになる可能性が高い。大玉リンゴの購買層は富裕層であるが、富裕層に選択されるのはときのみであった。高級品種は富裕層に、大衆品種は一般消費者といったように品種に応じた販売チャネルの再考が必要だろう。最後に、ヘルシンキへの輸出リンゴの大きさを再考した。コンジョイン卜分析の推計結果をみても、回答者は1果75mm以下のリンゴを望んでいる。今後は、大玉を好む北欧の富裕層、小玉を好む一般消資者といったように、大きさにも応じた輸出チャネルの再考も必要だろう。

収録刊行物

  • 開発学研究

    開発学研究 22 (1), 21-32, 2011-07

    藤沢 : 日本国際地域開発学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (11)*注記

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