単味の食品残さの酢飯を活用した発酵リキッドフィーディングが肉豚の生産性と肉質に及ぼす影響

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  • タンミ ノ ショクヒンザンサ ノ サク メシ オ カツヨウ シタ ハッコウ リキッドフィーディング ガ ニク ブタ ノ セイサンセイ ト ニクシツ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

地域で発生する単味の食品残さである酢飯を乳酸発酵させた発酵液と配合飼料を混合したリキッド飼料を肉豚に給与した場合の効果及び給餌方法について、マッシュ及びペレット飼料と比較検討した。1.1日平均増体量はリキッド不断区がマッシュ区に比べ優れ(P<0.05)、リキッド定量区、ペレット区も同様の傾向が認められた。また、乾物当たりの飼料要求率はリキッドの2区及びペレット区がマッシュ区に比べ優れた(P<0.01)。2.枝肉歩留はペレット区がマッシュ区に比べ優れ(P<0.05)、リキッドの2区も同様の傾向が認められた。背脂肪厚はリキッドの2区及びペレット区がいずれもマッシュ区に比べ厚い傾向が認められ、その結果、上物率はマッシュ区に比べ、他の3区が低い傾向で、特にリキッド不断区の去勢で顕著に低かった。また、肉質及び官能調査では差は認められなかった。3.排尿回数はリキッド区がマッシュ区に比べ多く(P<0.05)、尿排泄量はリキッド区がマッシュ区に比べ有意に多く(P<0.05)、約3倍であった。また、乾物排泄量はリキッド区がマッシュ区に比べ有意に少なく(P<0.05)、約30%低減した。以上のことから、酢飯を活用した発酵リキッド飼料は嗜好性に優れ、マッシュ飼料に比べ、増体量、飼料要求率が改善され、ペレット飼料と同等の効果が得られた。しかし、特に去勢で厚脂になりやすい傾向にあるため、給与方法等についてはさらに検討する必要があると思われた。また、尿量が増加するため、この点に留意することが必要と考えられた。

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