ウシ胚の凍結保存液への不凍タンパク質添加が融解後の生存性、受胎性に及ぼす影響

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  • ウシハイ ノ トウケツ ホゾンエキ エ ノ フトウタンパクシツ テンカ ガ ユウカイ ゴ ノ セイゾンセイ ジュタイセイ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

氷点下の温度域において、細胞内に生成する氷結晶の表面に吸着し、その成長を抑制する働きをもつ細胞保護物質の不凍タンパク質(Antifreeze Protein: AFP)をウシ胚の凍結保存液へ添加し、融解後の胚生存性、受胎性に及ぼす影響を検討した。体外胚を用いた培養試験では、融解後の生存率は0.5区が48、72時間で対照区と比較して有意に高く(p<0.05)、1.0区が24、48、72時間で他区と比較して有意に低かった(p<0.01)。融解後の脱出胚盤胞率は、0.25区と0.5区が24時間で他区と比較して有意に高く(p<0.05)、48、72時間では0.5区が対照区、1.0区と比較して有意に高かった(p<0.05)。体内胚を用いた移植試験では、有意ではなかったが、0.5区53.3%(8/15)が対照区47.6%(10/21)と比較して高い傾向が認められた。以上のことから、ウシ胚の凍結保存液へのAFP添加は、0.5mg/mlで融解後の生存性を高めることが示され、移植後の受胎率改善効果の可能性が示唆された。

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