北部九州地域でのイチゴの高設栽培におけるCO2施用効果と品種に適した施用法

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  • ホクブ キュウシュウ チイキ デ ノ イチゴ ノ コウセツサイバイ ニ オケル CO2シヨウ コウカ ト ヒンシュ ニ テキシタ シヨウホウ

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抄録

北部九州の冬季多日照条件で,イチゴの高設栽培におけるCO2の施用効果と効果的な施用方法を検討した。「あまおう」(品種登録名「福岡S 6号」)の高設栽培では,11月20日~3月10日の期間中にCO2を朝(6~10時)施用すると,無施用と比べて第一次腋果房以降の開花期が早まり,収穫果数が増加して2~3月の収量が40%,5月までの総収量が15%増加した。しかし,CO2を夕方(15~18時)に追加して施用時間を長くしても,朝施用以上には増収しなかった。早生性および連続出蕾性が優れる「さがほのか」では,朝と夕方にCO2を施用すると朝のみの施用よりも第一次腋果房以降の開花期がさらに早くなり,無施用と比べて2~3月の収量が46%,総収量が36%増加した。個葉の光合成速度は,光強度500~1,000μmol/m2/sのとき,両品種ともCO2濃度1,000ppmで頭打ちとなった。また,CO2濃度1,000ppmと2,000ppmでは生育や時期別収量に差がなかった。これらのことから,増収のための効果的なCO2施用法は,CO2濃度1,000ppmを「あまおう」では朝に,「さがほのか」では朝と夕方に施用する方法であると考えられた。

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