中央アルプス北部に生息するニホンザル自然群の季節的環境利用

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タイトル別名
  • Seasonal range use of Japanese macaque which inhabits the northern part of the Central Japan Alps
  • チュウオウ アルプス ホクブ ニ セイソク スル ニホンザル シゼングン ノ キセツテキ カンキョウ リヨウ

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抄録

GPS首輪による調査により,中央アルプス北部の山地帯に生息するニホンザル自然群の詳細な季節的環境利用が明らかになった。群れは調査期間である2009年4月5日から7月7日の間,標高1,OOO~1,900mの範囲を利用していた。期間半ばの5月19日から22日にかけて,標高1,000mから標高1,600m以上の亜高山帯への移動がみられ,期間後半の6月10日から25日には標高1,100m前後に生育するニセアカシア群落を集中利用していた。ニセアカシアが群れの重要な餌資源であることがわかり,群れがその開花時期にあわせて行動変化することが確認された。群れの亜高山帯への移動には,落葉広葉樹の展葉前線が関係していると考えられた。今回の調査により,GPS首輪の測位データが,山地帯におけるニホンザルの詳細な行動調査に有効であることが確認された。

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