水産廃棄物の土壌における分解特性およびその施与が小松菜の生育に及ぼす影響
書誌事項
- タイトル別名
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- スイサン ハイキブツ ノ ドジョウ ニ オケル ブンカイ トクセイ オヨビ ソノ セヨ ガ コマツナ ノ セイイク ニ オヨボス エイキョウ
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説明
唐津市水産加工団地加工残渣由来の水産廃棄物(海産汚泥)は窒素含量が高いが、肥効が遅いことやカリウム含量が少なく、有機肥料とした場合、バランスが悪いのは欠点である。しかし、これまでの研究では、ホウレンソウの生育に対しては、牛ふんや鶏ふん堆肥よりも優れる結果が得られている。本報告では、この海産汚泥の肥料溶出特性を明らかにするとともに、カリウム及びケイ酸が豊富な竹炭を海産汚泥と混合したことによって、海産汚泥の肥効を有効に引き出せるのではないかと考え実験を行った。その結果、海産汚泥からのアンモニア態窒素及び硝酸態窒素の溶出は、化学肥料区及びカニガラに比較して遅く、培養3週間後に硝酸溶出量が増加した。また、カリウムの溶出は鶏糞や化学肥料に比較して海産汚泥では極めて低かった。これはもともと含量が低いことによるものであった。海産汚泥を窒素成分換算で化学肥料の2倍の施肥量におけるコマツナの生育は、海産汚泥区が化学肥料区を上回る結果となった。一方、海産汚泥+竹炭、及び化学肥料+竹炭区のいずれも、竹炭なし区よりも生育がよかったことから、竹炭は何らかの生育促進効果があると思われたが、海産汚泥にカリウム及びケイ酸だけの添加区では無添加区とさほど差がみられなかった。以上のように、海産汚泥は窒素成分が化学肥料の2倍になるように施肥すれば、前報のホウレンソウに続き小松菜においても化学肥料と同等以上の生育量が得られた。また、海産汚泥のカリウム不足を竹炭で補うことについては、今後作物の種類及び施与環境についてさらなる検討が必要であると考えられる。
収録刊行物
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- Coastal bioenvironment
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Coastal bioenvironment 17 23-28, 2011-06
佐賀大学海浜台地生物環境研究センター
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050282813710317184
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- NII論文ID
- 110009485711
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- NII書誌ID
- AA11863117
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- ISSN
- 13487175
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- NDL書誌ID
- 023380939
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB
- NDL
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