種子精選が種子繁殖型F1イチゴ (Fragaria X ananassa Duch.) 種子の発芽に及ぼす影響

説明

種子繁殖型F1イチゴ品種の実用化には欠かせない,高い種子発芽率と斉一性のための種子精選方法を検討した.種子繁殖型F1イチゴ品種‘千葉F-1号'種子と‘とちおとめ'の種子を材料として用いた.種子精選方法として,比重選別,種子サイズによる選別,種子色による選別を行った.比重選別した‘千葉F-1号'種子は,比重が大きい種子ほど最終発芽率が高く,T50の値が小さい傾向を示した.種子数は,比重1.02~1.05のものが多かった.種子サイズにより選別した‘とちおとめ'の種子数の分布は,種子サイズが大きくなるに従って増加する傾向がみられたが,1,000μm超になると少なかった.発芽能に差はなかったが,種子サイズが大きい種子で実生の生育は促進された.種子色と‘千葉F-1号'種子の発芽との間に一定の関係は見られなかった.以上の結果,今回用いた種子は,酵素処理による種子調製の過程で,発芽率の低い種子がかなりの割合で取り除かれたため,種子の発芽能が高く,精選後の種子の発芽能に大きな差がみられなかったものと思われる.

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