東京湾湾奥部の三番瀬におけるアマモ場再生の可能性

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  • トウキョウワン ワンオウブ ノ サンバンゼ ニ オケル アマモバ サイセイ ノ カノウセイ

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1)東京湾湾奥の三番瀬海域でアマモの生育の可能性について,アマモ生育環境(水質,物理環境),増殖方法(移植,播種)の調査をおこない,三番瀬における適正な再生方法を検討した。2)水温は,東京湾の湾奥ほど夏季に高い傾向にあり,8月にはアマモの生育が困難となる28℃を超える日が出現していた。3)クロロフィルa濃度はしばしば高濃度となり,夏季には純光合成光量が0付近まで低下する例が見られた。4)透明度は,夏季を中心に低下し,湾奥に向かうほど低い傾向にあった。そのため,東京湾におけるアマモの生育水深も湾奥に向かうほど浅くなっていた。5)シールズ数解析による三番瀬のアマモ生育適地を推定したところ,D地区の陰になる場所や航路脇,構造物沿いなどの波浪の影響が軽減されるごく一部の場所に抽出された。6)移植,播種後の観察結果からみると,夏季の水温上昇,赤潮その他のSS成分による透明度低下,アオサの堆積により,越夏は難しいが,秋から初夏のアマモの増殖は確認された。7)現状では,三番瀬海域で多年生アマモによるアマモ場を周年形成させることは難しいが,秋に移植を行い,春に繁茂させる再生手法が有効と考えられた。

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