CCIラットコロニーより出現する早発性対麻痺ラットの造血系細胞中に見出された1番染色体トリソミー腫瘍性細胞

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  • Trisomy of rat chromosome 1 in haematopoietic cell lineages may cause an early-onset of paraplegia

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抄録

著者らは内軟骨石灰化不全による矮小型ラットを見出し,CCI (cartilage calcification insufficiency)ラッ卜として系統化を行っている。この繁殖コロニーでは12週齢頃の繁殖適期から対麻痺症状を呈し,うち約半数では脾腫も伴う個体が毎年1%の頻度で出現している。その病理組織学的検索により腫瘍性リンパ球の髄膜浸潤が明らかとなった。肺由来初代培養細胞を用いた細胞遺伝学的検索では,対麻痺での染色体不安定性が高まっていた。骨髄細胞を用いた直接的な検索では,8/10頭の大腿骨骨髄から1番染色体トリソミー細胞を検出した。加えて,1番染色体トリソミー細胞が,大腿骨骨髄中に存在しない1頭の上腕骨中に30%存在すること突き止めた。これらの結果は,CCIラットコロニーでの早発性対麻痺が,造血系細胞に生じた1番染色体卜リソミーを持つ腫瘍性細胞の髄膜浸潤によって引き起こされたことを強く示唆する。

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