温州ミカン園におけるミカンバエ発生調査と薬剤防除

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  • ウンシュウ ミカンエン ニ オケル ミカンバエ ハッセイ チョウサ ト ヤクザイ ボウジョ

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抄録

ミカンバエの発生と被害の関係を,トラップや見取り調査により検討した。併せて,囲蛹や羽化成虫に対する薬剤の効果や被害果を限りなくゼロに近づけるための薬剤防除手法を検討した。定点調査での羽化は,6月19日前後に始まり,6月30日前後に終了した。トラップ及び見取り調査での成虫の発生把握程度を比較した結果,6月下旬~8月中旬の間はほぼ同程度であったが,8月下旬~9月上旬の間は,見取り調査の方がよく把握できた。そして,両手法のいずれかの調査で,成虫を1頭でも確認した園では,収穫期にほぼ100%被害果が発生した。羽化後の成虫に対し,閉鎖系の条件下の試験ではあるが,エチルチオメトン粒剤処理の効果が高かった。アセタミプリド水溶剤,DMTP乳剤及びクロチアニジン水溶剤の散布3日後に成虫を接種した場合は,いずれも100%死亡した。また,アセタミプリド水溶剤の散布7日後接種でも60%の死亡率があった。中~多発条件下において,8月下旬にジメトエート乳剤,9月上旬にチアメトキサム顆粒水溶剤の計2回防除,あるいは8月下旬にジメトエート乳剤の1回防除により,被害果率を0%に抑制できた。しかし,果実に付着ムラがでるような雑な散布では,極少発生条件でも被害が発生した。

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