黒毛和種子牛の放牧が発育及び血液成分に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of pasturing in black cattles on their growth and blood component
  • クロゲワシュ コウシ ノ ホウボク ガ ハツイク オヨビ ケツエキ セイブン ニ オヨボス エイキョウ

この論文をさがす

抄録

本県における黒毛和種の放牧利用に対する要望は年々増加しており、放牧する頭数も増加傾向にある。このような中、放牧による飼養管理の省力化やコスト削減、ならびに健康で四肢の強健な子牛育成技術の確立、さらには放牧以降の長期間の供用等が期待されており、黒毛和種子牛に対する放牧利用の要望も出てきているが、子牛では発育低下など、放牧による悪影響が懸念されている。そこで、本試験では、黒毛和種子牛への放牧が、発育及び血液成分に及ぼす影響について調査した。その結果、体重では、去勢で対照区が試験区を上回って推移した。雌では、試験区で生時体重が大きく、試験区が対照区を上回った状態で推移した。体高は若干の変動はあるものの、40週齢時以降、性別を問わず、両区ともほぼ同値であった。胸囲は去勢では31週齢以降、対照区が試験区を大きく上回り推移した。雄では、21週齢から36週齢までの期間は、試験区が上回って推移したが、36週齢以降は、両区ともほぼ同値で推移した。腹囲は、去勢では、測定開始時より対照区が大きく、そのまま推移した。雌では、測定開始時より試験区が大きく、そのまま推移した。血液成分を比較すると、総タンパク質では、去勢、雌、両区においてほぼ正常値の範囲内であった。総コレステロールでは、週齢が進むにつれて増加傾向にあり、試験区では、去勢25週齢、雌29週齢に大きな減少が認められた。血清カルシウム及び血清マグネシウムは各区、及び性別問わず、正常値の範囲内にあり、大きな変化は見られなかった。また、放牧を実施することによって購入飼料費が削減され、そのコストは約7,140円であった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ