パキスタンに発生したトマト巻葉病を引き起こす単一ゲノム性Begomovirusおよびβサテライトの感染性クローンによる感染性解析

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  • Infectivity Analysis of the Cloned Component of a Monopartite Begomovirus-Betasatellite Complex Causing Tomato Leaf Curl Disease in Pakistan

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抄録

インドのワタに壊滅的な被害をもたらす単一ゲノム性Begomovirus属ウイルスであるCotton leaf curl Rajasthan virus(CLCuRaV)がパキスタンのFaisalabadで栽培されるトマト(Solanum lycopersicum)から,DNAサテライト[CLCuRaB-(PK:Sβ2:07)]とともに分離され,CLCuRaV-(PK:SA1:07)と同定された。両者の感染性クローン(CLCuRaVtomatoおよびCLCuRaBtomato)を構築し,Agrobacterium GV3101系統に形質転換した。CLCuRaVtomatoをNicotiana benthamianaとトマトに,単独で,あるいは,CLCuRaBtomatoと共接種したところ,3反復おこなったCLCuRaVtomato単独接種実験では,N. benthamiana36株中3株のみで非常に軽微な病徴を呈し,トマトには感染が認められなかった。しかし,サテライトDNA感染性クローンCLCuRaBtomatoとの共接種によると,N. benthamianaでは100%の感染が認められ激しい病徴を呈し,トマトでは穏やかな病徴ではあるが70-80%の感染が認められた。CLCuRaBtomatoの存在によりCLCuRaVtomatoの病徴がN. benthamianaおよびトマトにおいて激化した。これにより,トマトから分離したワタのウイルスであるCLCuRaVtomatoの実験用宿主N. benthamianaと野外宿主トマトにおける感染性を実験的にはじめて確認した。

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